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ノ。 ~法面(のりめん)の役割について~

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ノ。 ~法面(のりめん)の役割について~

法面(のりめん)とは何か

― 安全と暮らしを静かに支えている存在 ―

 

法面とは、どのようなものなのでしょうか

法面(のりめん)とは、

土地を造成した際に生じる「斜めになった地盤の面」を指します。

例えば、

  • 山を切り崩して道路を造った場合

  • 宅地を造成して土地を平らにした場合

  • 高低差のある敷地を整地した場合
     

このようなとき、地面をそのまま垂直に切り立ててしまうと、

土や岩が自分の重さに耐えきれず、崩れてしまいます。

そのため、安全を確保する目的で、

あらかじめ斜めの角度をつけて整形した部分、それが法面です。

普段の生活ではあまり意識されませんが、道路沿い、

住宅地の裏手、河川の土手など、私たちの身の回りには

多くの法面が存在しています。

 


なぜ法面は「斜め」になっているのでしょうか

理由は非常に単純で、

土は垂直な状態では安定しないからです。

土や砂、風化した岩盤などは、
 

  • 重量がある

  • 水を含みやすい

  • 時間とともに性質が変化する

  • 地震や振動の影響を受けやすい
     

このような特徴を持っています。

そのため、垂直に切った状態では、

いずれ必ず崩落の危険が生じます。

そこで、
 

  • 勾配をつけて斜めにする

  • 土の重さを分散させる

  • 自然な形で安定させる
     

こうした目的のもとに設けられるのが法面です。

見た目の問題ではなく、

安全性と物理的な合理性に基づく構造だとご理解ください。


法面が崩れると、どのような影響があるのでしょうか

 

法面の崩壊は、決して軽視できるものではありません。

影響は大きく分けて三つあります。

 

① 人命への影響

法面が崩れると、
 

  • 土砂崩れ

  • 落石

  • 建物の倒壊
     

といった重大な災害につながる可能性があります。

実際、豪雨や地震の際に発生する災害の多くは

法面の不安定化が原因の一つとなっています。

② 生活・社会インフラへの影響
 

  • 道路が通行止めになる

  • 住宅地が孤立する

  • 修復工事に長期間を要する
     

このように、日常生活や社会活動にも大きな支障をきたします。
 

③ 不動産価値への影響
 

法面に問題を抱えた土地は、

  • 売却しにくくなる

  • 住宅ローンの審査が通りにくくなる

  • 修繕・補強費用が発生する
     

といった不利益が生じやすくなります。

法面は、土地や建物の資産価値を左右する要素でもあるのです。


法面の主な種類について

 

法面は、大きく二つに分類されます。

① 切土法面(きりどのりめん)

山や地盤を削ることで生じた法面です。
 

  • 地山がしっかりしていれば比較的安定しやすい

  • 岩盤か土質かで安全性が大きく異なる

  • 風化や雨水の影響には注意が必要
     

一見安定して見えても、長期的な管理が重要です。

 

② 盛土法面(もりどのりめん)

土を盛り上げて形成した法面です。

  • 内部の締め固めが非常に重要

  • 水を含むと弱くなりやすい

  • 完成直後は問題なくても、数年後に不具合が出ることもある

住宅造成地で問題が起きやすいのは、主にこの盛土法面です。


法面の「勾配」とは?

 

法面には、「どれくらい斜めにするか」という基準があります。

これを法面勾配と呼びます。

例として、

  • 1:1.5

  • 1:2.0

といった表記があります。

これは、

  • 縦に1メートル下がるごとに

  • 横に1.5メートル、または2.0メートル広がる

という意味です。

数値が大きいほど、

なだらかで安全性が高い法面になりますが、

その分土地を広く使う必要があり、工事費用も増加します。

安全性とコストのバランスを取ることが、

設計上の重要なポイントです。


法面を守るための「保護工」について

 

斜めにするだけでは、十分な安全性を確保できない場合もあります。

そこで行われるのが、法面保護工です。

 

① 植生工(芝生・草・植栽)

  • 見た目が自然

  • 比較的コストが低い

  • 植物の根が土を押さえる
     

ただし、植生が定着するまでの間は弱く、豪雨には限界があります。
 

② モルタル吹付工
 

  • 表面を固めて侵食を防ぐ

  • 雨水の浸透を抑える

  • 比較的施工しやすい
     

一方で、内部に水が溜まると逆効果になる場合もあります。

 

③ コンクリート擁壁・法枠工
 

  • 非常に高い安定性

  • 宅地では必須となることも多い

  • 長期的な耐久性が高い
     

その反面、費用は高く、設計や施工の精度が強く求められます。


法面にとって最大の敵とは

 

法面が不安定になる最大の要因は、水の存在です。

 

  • 雨水

  • 地下水

  • 湧き水
     

水が土に浸透すると、
 

  • 土が重くなる

  • 滑りやすくなる

  • 内部圧力が高まる
     

そのため、法面では必ず、

  • 排水溝

  • 水抜き穴

  • 暗渠(あんきょ)

といった排水対策が施されます。

排水計画が不十分な法面は、長期的に見ると非常に危険です。


法面と法律・規制の関係

 

法面は、各種法令とも深く関係しています。
 

  • 宅地造成等規制法

  • 都市計画法

  • 建築基準法
     

これらの法律により、

 

  • 勾配の制限

  • 擁壁設置の義務

  • 高さや構造の基準
     

が細かく定められています。

知らずに土地を購入してしまい、

「建物が建てられない」「追加工事が必要になる」

といったケースも少なくありません。


一般の方が確認しておきたいポイント

 

専門知識がなくても、

次の点はぜひ確認していただきたいところです。

 

  • 法面にひび割れがないか

  • 水が染み出していないか

  • 樹木が不自然に傾いていないか

  • 最近補修された形跡がないか
     

一つでも気になる点があれば、

専門家に相談されることを強くおすすめいたします。


まとめ

 

法面は、

 

  • 目立たない存在でありながら

  • 人命と暮らしを守り

  • 土地や建物の価値を支えている
     

非常に重要な構造物です。

普段は意識されることが少ないものの、

問題が起きた瞬間に、その重要性が一気に表面化します。

土地を選ぶとき、家を建てるときには、

ぜひ法面にも目を向けていただきたいと思います。

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